コラム

アラサー主婦フリーランスに聞くお金事情|会社員から転身して後悔はないか?

結婚や出産などのライフイベントをきっかけにキャリアを見つめ直す女性は多いのではないでしょうか。

Crewtoで広報業務を担っているアラサー主婦のアニーさんもその一人。
子育てと仕事との両立に悩んだ結果、フリーランスに転身。しかし同年代の会社員と比べて稼げていないのではないかと今後の不安もあるようで…

今回は、アラサー主婦フリーランスのアニーさんに会社員からフリーランスになった経緯や、フリーランスになってからのリアルなお金事情などについてお聞きしました。

いまフリーランスとしてどんな働き方をしている?

市原市原

コロナになってからフリーランスに興味がある人が増えたように感じます。アニーさんも1年前からフリーランスとして働いていますが、仕事内容や働き方は会社員時代と比べてどういった変化がありましたでしょうか。

アニーアニー

サラリーマンとしては介護職や事務職を経験してきましたが、フリーランスとしては記事作成などのライターの仕事がメインで、そのほかは事務系も少し請け負っています。
全て在宅でできるし好きな時間に働けるので、会社員時代と比べて家事や育児との両立がすごく楽になりました。

市原市原

少し突っ込んだ話をお聞きしますが、収入面ではどう変化したでしょうか?
フリーランスに興味はあるけど、実際にどれくらい稼げるのか、リアルなお金事情は周りの人には聞きづらいからイメージがつかないという方は多いと思うので、差し支えない範囲で教えてもらえると参考になるかもしれません。

アニーアニー

全然お話しますよ!仕事と生活は直結するものなのに、お金が絡むとどうしても身近な人に相談しにくかったり、ネットではリアルな情報が少なかったりしますもんね(汗)私の体験談が少しでも誰かのお役に立てたら嬉しいので、今日はとことんリアルな情報をお届けできたらと思います!

早速ですがリアルな収入をお話しすると、月によって変動はありますが最近は17万円前後といった感じです。会社員時代は20万円くらいだったのでやはり減ってしまいました(泣)

でも、ライターなりたての時は月収2〜3万円、半年経った頃から10万円弱、そして1年経った今17万円と徐々に伸びてはきているので前向きに捉えています!

フリーランスになったきっかけ

市原市原

フリーランスは自分の経験やスキル次第で収入を上げていける働き方だと思うので、今後伸ばしていける余地は十分にあると思います。

そもそも、アニーさんがフリーランスになったきっかけは何だったんですか?

アニーアニー

子供が産まれて育休に入った時に、今後の家計が心配で副業を始めたことがきっかけです。

ランサーズやクラウドワークスに登録し、データ入力やアンケート回答・簡単な文章作成などスキマ時間に出来そうなものを探してやり始めました。1件50円とか数100円の低単価のものも多く嫌になる時もありましたが、最初はとにかく数をこなして実績(対応件数や依頼者からの評価など)をあげるしかない!と思ったので、割に合う合わないを気にせず無心で取り組んでいました(笑)

そうして続けているうちに徐々に単価の高い案件も受けられるようになったり、クライアントさんが別なクライアントさんに繋いでくださったりして、徐々に継続的にお仕事いただける案件が増えていきました。

市原市原

おーすごいです。
育休中に始めた副業が今につながっているんですね。
職場復帰後も副業は続けていたのですか?

アニーアニー

続けていました!育休前と勤務条件が変わって基本給が減ったことに加え子どもの保育料で支出が増えたので副業で補うしかなかったという感じです(笑)

ですが育児と仕事の両立はやっぱり大変で、子どもの体調不良で欠勤や早退があると給料が減ってしまうのでその分副業を増やさないと…!と必死でした。
毎日、時間的にも精神的にも体力的にも余裕がなかったですね(笑)

市原市原

これまでの本業と家事に加え、子育てと副業もとなると相当ハードですよね(汗)

アニーアニー

めちゃくちゃハードです(笑)なので給料アップを目指して転職するか、思い切って退職しフリーランスとしてライターの仕事を頑張っていくか本気で悩んで、夫にも相談した結果フリーランスになることを選びました…!

子育てママにとって転職のリスクは大きい!?

市原市原

フリーランスを選んだ決め手は何だったんですか?

アニーアニー

「家庭との両立のしやすさ」と「収入アップの可能性の大きさ」です!
幼い子どもがいるうちの転職は有利ではないですし、子どもの事情で急な休みや早退など融通をきかせてもらえる職場と出会えるのも簡単ではありません。もし出会えたとしても収入の大幅アップは期待できないだろうなと思い…。

それならフリーランスとして働く時間や仕事を自分で選び、収入は経験や実績を積み重ねながら徐々に上げていくしかないのかも…!と思うようになり、退職を決意しました。

市原市原

フリーランスに転身するとき、不安はありませんでしたか?

アニーアニー

もちろんありました(笑)
ですが夫は「もしダメだったらまた就職することを考えてもいいと思う。
フリーランスとして培ったスキルや経験、マインドは会社員でも活かせるはずだし、収入が思うように伸びなかったり、ずっと1人で在宅で働くのがしんどかったりしたら、週1とかでパートに出るのもありだと思うと柔軟に捉えてくれていたので。

私も「その時々でできるベストを尽くしていくしかない!」と思えたので踏み切れました!

おすすめは「扶養内フリーランス」

市原市原

確かに一度フリーランスになったからといって、再就職したりパートを兼務するっていう選択肢もありますし、年収が伸びない間は旦那さんの扶養に入って保険料や税負担を減らす工夫もできるのではないかと思います。

アニーアニー

そうですよね!実際今は夫の扶養内で働いています。
毎月、売上が17万円前後・経費が1万円くらいなので年収で言うと190万円ほど。そこから確定申告で「青色申告の特別控除65万円」を受けて125万円。

よく聞く「年収130万円の壁(*)」をクリアできているので社会保険料を自分で納めずに済んでいます。

*年収130万円の壁:年収が130万円以上の場合、夫の社会保険上の扶養(夫が払っている社会保険料で妻の分の年金や健康保険も受けられる)から外れてしまい、妻が自分で国民年金と国民健康保険などの社会保険料を納めなくてはいけない。その分手取り額が下がってしまう。

◆ただし、夫が加入している健康保険の規定によっては「年収130万円未満」に加え「月収108,334円未満」という条件もあるため確認が必要です。

◆また、フリーランスの「年収130万円未満」は経費等を差し引いた金額なのか・引く前の金額なのか、認められる経費の項目なども加入保険によって規定が異なるので、夫の加入保険に確認することをおすすめします。

出典:厚生労働省|女性の就労の制約と指摘される制度等について (いわゆる「年収の壁」等) 4ページ目

市原市原

「年収の壁問題」は最近も取りざたされていますよね。政府が「106万円の壁」と「130万円の壁」に対する支援(*)を始めるようですが、これを踏まえて今後の働き方を変えようかなとか考えていますか?

*参照:首相官邸|「年収の壁」対策

アニーアニー

実は最近ちょうど気になって調べていたんですが、どうもフリーランスはこの支援策の対象外みたいなんです…!

年収130万円以上になった年があっても雇用主(会社など)が「一時的に収入が上がった」ということを証明してくれれば、連続2年間までは配偶者の扶養から外れずに済むっていう内容のため、フリーランスのように特定の事業主と雇用関係がない労働者は対象外のようです。

*参照:株式会社エフアンドエム|『年収130万円の壁』撤廃!手続きと人手不足対策をまとめて解説

市原市原

そうなんですね…!
そしたら今後売上が伸びていったら事業所得130万円を超えて旦那さんの扶養を外れることはあり得そうですね。

アニーアニー

そうなんです(汗)

仮に、今より月の売上が1万円アップしたとしたら【(売上18万円ー経費1万円)×12ヶ月】ー【青色申告65万円】=【事業所得139万円】になるので、夫の扶養には入れず自分で「国民健康保険料」と「国民年金保険料」を払うことになります。

私が住んでいる市では「国民年金保険料」は約20万円/年、「国民健康保険料」はこの事業所得額であれば20万円/年なので、合計約40万円(*)。

つまり収入は【(売上18万円ー経費1万円)×12ヶ月】ー【社会保険料40万円】=164万円(*1)となり、今の手取り【(売上17万円ー経費1万円)×12ヶ月=192万円】(*2)よりも少なくなってしまうんです(汗)

いくらの売上なら社会保険料を払っても今の手取りより高くなるかシミュレーションしてみたところ21万円でした。
※【(売上21万円ー経費1万円)×12ヶ月】ー【社会保険料44万円】=手取り196万円(*3)

ですが、毎月4万円も多く稼いでいるのに、手取り額は「年間で」4万円しか増えないんですよ…!

*参考:税金・社会保障教育|国民健康保険料シミュレーション(収入欄「その他所得」に「売上ー経費ー控除」の金額を入力し住んでいる市を選択すると「国民健康保険料」がわかります)

◆ここで言っている「手取り」には便宜上、税金の支払いは計算に含めていません。実際は、上記の手取り金額から住民税・所得税などを差し引いた額が「実際に手元に残る収入」です。

<シミュレーション結果>
生命保険料控除などはなく「基礎控除」の所得控除のみの場合で計算した結果は下記の通りです(参考:長谷税務会計事務所|所得税・住民税計算シミュレーション)。

  • 毎月売上17万円、経費1万円の場合=納税額は年間で14万円強
    →【上記手取り192万円(*1)ー14万円=実際の手取り178万円強
  • 毎月売上18万円、経費1万円の場合=納税額は年間で16万円
    →【上記手取り164万円(*2)ー16万円=実際の手取り148万円
  • 毎月売上21万円、経費1万円の場合=納税額は21万円
    →【上記手取り196万円(*3)ー実際の手取り175万円強


◆つまり、実際の手取りを比べると売上17万円に抑えておいた方がお得ということになります。

◆ちなみに、売上22万円なら【(売上22万円ー経費1万円)×12ヶ月】ー【社会保険料46万円弱】ー【納税額21万強】=手取り約185万円売上が毎月5万円アップしても、手取り年収でみると7万円(185万円ー178万円)しかアップしないのです。

アラサー時代は仕込みの時期、焦らずじっくり前進

市原市原

かかる労力に対して得られるリターンが少なすぎますね…泣

それだったら今の売上の感じで旦那さんの扶養に入りながら、家事や育児、プライベートに使える時間を増やした方が、時間的にも体力的にも余裕が持てそうですよね。

アニーアニー

ほんとそうなんです…!!

ただ、周りのフリーランスや同年代の会社員の人たちと年収を比べちゃっている自分もいて…。アラサーという今の時期こそもっと稼がないといけないんじゃないかという不安もあります(汗)

市原市原

確かに若くして稼いでる人もいるかもしれませんが、会社員であってもフリーランスであっても市場価値が上がってくるのは30代の中頃からじゃないかと感じます。

20代や30代前半のうちは、色んな経験をして自己理解を深めたりスキルを磨いたり実績を築いたり、自分の経歴にプラスなことを積み重ねていく「仕込みの時期」と割り切っていいんじゃないでしょうか。
ですので生き急がなくて大丈夫だと思いますし焦る必要もないと思います。

今はお子さんもまだ小さくて子育てに時間がかかる時期ですから、扶養や節税などできる工夫をしながら、いまの生活水準で暮らしていける世帯収入を維持していければ十分ですよ。

アニーアニー

うぅ…そう言っていただけて嬉しいです(泣)すごく気持ちが楽になりました!

たしかに、そもそも子育てのことも考えてフリーランスになったのでプライベートも大切に余裕を持って過ごしていきたいです。

フリーランスになったからには!!と焦るのではなく、今の生活の中でも出来ることを精一杯やって、この時期の経験が子育てが落ち着いて仕事に専念できるようになった頃に必ず活きてくると信じて、ひたむきに頑張っていこうと思います!

< Crewto® / 執筆:アニー >

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