コラム
シリーズ

令和時代のサービス開発を考える その1

これまでWEBサービスやアプリを開発してきた中で気づいたこと思いついたこと、とりとめもない話題など、つらつらと共有するシリーズその1として、サービスの特性としてCGMとツールについて共有したいと思います。

WEBサービスとして大きく分類すると…
CGM型:ユーザーが情報を発信したり、コンテンツを生成したりする(SNS、マッチング系など
ツール型:何かを解決したり、便利にする(電卓、カレンダー、Todoなど
メディア型:提供側(企業など特定)がコンテンツを提供する(Netflix、求人サービスなど

大枠として3つになるのではないかと思います。
またサービスによっては混ざっているようなものもあると思います。
例えば、初期のInstagramは「画像加工」のツールサービスでしたが、後に加工した「画像を共有」するSNSになっていきました。

今回ぼくたちもこのツールから、CGMへ路線変更といったアプローチでサービス開発していることもあり実体験としてお伝えできればと思います。

CGM型ではなくツール型

結論的にはよほど資金力や営業やマーケのリソースがないのであれば、CGM型のサービスはかなり難しいです。リクルートのようなブランド力も含めた潤沢なリソースがある企業であれば話は違ってくると思いますが、一般的なスタートアップ(一部例外はあるかも)、や中小以下の企業は基本的にCGMサービスをいきなり手掛けるのは至難の業で離陸もしない気がしています。

CGMの特徴としてはいわゆるネットワーク効果があります。
利用する人が増えれば増えるほど価値が増大するという理論です。
逆を返すと利用者がいなければ無価値となってしまう側面があり、利用者を集めるその難易度がとてつもなく高くなっています。
インターネットの黎明期はサービス自体が少なかった、またスマートフォンの黎明期にもスマートフォンに最適化されたアプリが少なかったこともあり、ネットワーク効果を狙えるチャンスが転がっていていま多くの人が使っているCGM系サービスはそういったチャンスをものにしたサービスなのだと思います。

またCGMサービスのもう一つの特徴として、一度定着したサービスがあると他のサービスの参入が難しくなることがあると思います。
いまだに5ch(旧2ch)も利用されていますしX(旧Twitter)も代替サービス、類似サービスはたくさんでてきましたが、20年近く経つ現在もいまも現役ですしね。
GoogleもSNSを持っていないということで過去何度かトライしていてGoogle+などもリリースしましたが撤退する形になりました。そう思うとGoogleはツールサービスの提供企業ですね。検索もMapもGmail、カレンダー、いまぼくがアクティブに使うGoogleサービスのほぼ全てツール群のサービスです。

ツールはユーザーと1:1の関係性を構築できる

電卓やカレンダーといったサービスは、ユーザーボリュームは関係なく、そのユーザーが気に入るかどうかのみで勝負できる利点があります。広がりという点ではCGMに遠く及ばないですがプロダクトに集中できる利点があります。
まずは価値があるサービスをつくる。使われるサービスをつくる。そうしないと登山に出発できないので、ごくごく特定の人にだけだったとしても刺さるプロダクトを作るというのはかなり重要だと思います。

昨年度から手掛けれている自社アプリのTCGGATE®はツールとしてのアプリとしてスタートさせたのですが、アプローチとしては間違っていなかったなと感じています。

次回はどんなサービスを手掛けるべきかといった内容で記事公開できればと思います。

< 執筆・編集:市原 >