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チームで採用・仕事探し フリーランスは厚生年金に加入できる? | Crewto Info/
フリーランス

フリーランスは厚生年金に加入できる?

フリーランスになったけど、会社員時代に入っていた厚生年金を継続できるのか?と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。結論から申し上げると、厚生年金には加入できませんが、国民年金には加入できます。

この記事では、そもそも厚生年金や国民年金とは何なのかという基礎的な解説から、サラリーマンとフリーランスの年金受給額の違いや年金対策などをご紹介します。
フリーランスで年金について気になっている人はぜひご覧ください。

厚生年金とは

みっちゃんみっちゃん

私はフリーランスになって1年目なのですが、会社員時代に入っていた厚生年金は継続できるのでしょうか?年金の仕組みについてよく分かっていなくて…

社会保険労務士社会保険労務士

厚生年金は、会社員や公務員の場合はほぼ強制的に加入しますが、フリーランスは加入することはできません。
詳しく解説する前に、前提となる日本の年金制度の構造について紹介しますね。

日本の年金制度は2階建て構造になっています。1階は20歳以上60歳未満の全ての国民が加入する「国民年金」、2階は会社員や公務員が加入する「厚生年金」です。つまり、国民年金に上乗せされて支払われる年金が厚生年金ということです。

フリーランスは国民年金を払う義務がある

社会保険労務士社会保険労務士

20歳以上60歳未満のすべての国民が加入することになっている「国民年金」。これは法律で義務付けられていることですので、当然フリーランスでも加入しなければいけません。

国民年金に加入しなければ、将来受け取れる年金額が少なくなったり、財産が差し押さえられたりする可能性があります。

国民年金を払わないことによる弊害については、こちらの記事で詳しく解説しています。

▼参考記事
払わないでいいなら払いたくない!?フリーランスが年金を払わなければどうなるのか?

サラリーマンとフリーランスの年金受給額の違い

みっちゃんみっちゃん

フリーランスは「厚生年金」には加入できず、「国民年金」にだけ加入することになるのですね!ということは、将来もらえる年金額も減ってしまうのでしょうか?

社会保険労務士社会保険労務士

そうですね。サラリーマンとフリーランスでは年金受給額は異なります。実際にどれくらい差があるのか、2022年度のデータを見てみましょう。

2022年度の月額受給額は、国民年金は約6.5万円*1、厚生年金だけで約15.4万円*2となっています。

つまり、2022年度はフリーランスが1ヶ月で受給できるのは約6.5万円(国民年金のみ)、サラリーマンは約21.9万円(国民年金+厚生年金)ということです。

※1:20歳から60歳まで全ての保険料を納付していた場合の金額
 (出典:厚生労働省)
※2:厚生年金に40年間加入し平均月収が43.9万円の場合の金額
 (出典:日本年金機構

みっちゃんみっちゃん

えぇ!約6.5万円ですか!?この金額で毎月暮らしていくなんて考えられません…!

社会保険労務士社会保険労務士

フリーランスの方やこれからフリーランスになろうとしている方の多くがそうおっしゃいます。ですが、フリーランスでも受給年金額を増やせる方法があるのでご安心ください!

フリーランスができる年金対策

ここからは、フリーランスができる老後資金の対策を5つ紹介します。自分のライフプランにあうものを選ぶようにしましょう。

国民年金基金

社会保険労務士社会保険労務士

「国民年金基金」は厚生年金と同様、国民年金に上乗せすることができる年金です。加入対象となるのは、個人事業主やフリーランスなどの第1号被保険者です。

国民年金基金に加入する最大のメリットは節税ができること。掛金(支払うお金)の全額を所得控除にできるので、節税対策として活用できます。

また、60歳もしくは65歳から自分が死亡するまで年金を受け取れること、毎月の掛金の増減を自分で設定できることもメリットです。

しかし、国民年金基金は一度加入すると自己都合でやめることはできません。そのため、収入が安定してきたら加入するのが良いでしょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

社会保険労務士社会保険労務士

「iDeCo」とは、自分で掛金を積み立てて、定期預金や保険、投資信託などから選んだ商品で長期に渡って運用し、運用し終えた金額を60歳以降に受給できる制度です。

iDeCoも国民年金基金と同じく、掛金が全額所得控除にできるので、節税対策になります。また、掛金の増減を自分で設定できることもメリットの一つです。

しかし、iDeCoのデメリットとして、受給金額が定まっていないことが挙げられます。他の年金制度では受給金額が決まっているものが多いですが、iDeCoの場合、受給金額は運用した結果に左右されます。

iDeCoを始める場合は、ある程度のリスクがあると覚えておいてください。

付加年金

社会保険労務士社会保険労務士

「付加年金」とは、国民年金に毎月400円を上乗せして支払うことで、受給金額を増やせる制度のことです。掛金は400円で固定されており、増減はできません。

受け取れる金額は「200円×付加年金を納付した月数」で決められます。例えば10年間納付した場合、納付金額と受給金額は以下のようになります。

  • 納付金額:400円×12ヶ月×10年=48,000円
  • 受給金額:200円×12ヶ月×10年=24,000円

上記「受給金額」は1年で受け取れる金額なので、2年間受け取れば元が取れるうえに、その後も受給できます。

掛金も少額なので加入しておいて損はありませんが、国民年金基金とは併用できないので注意が必要です。

小規模企業共済

社会保険労務士社会保険労務士

「小規模企業共済」とは、フリーランスや個人事業主、小規模企業の経営者が加入できる退職金制度のことです。毎月の掛金は1,000円から7万円まで、500円単位で自由に設定できます。

国民年金基金などと同様に、掛金は全額所得控除にすることができます。

また、60歳や65歳以上にならないともらえない年金と違い、廃業したときにももらえる点は小規模企業共済ならではのメリットでしょう。

まとめ

フリーランスが加入する国民年金は、会社員が加入する厚生年金と違い、満額納付した場合でも約6.5万円しかもらえず、老後資金に心配が残ります。

国民年金基金やiDeCoなどを賢く活用して、老後の資金対策を今のうちに行っておきましょう。